卒業論文/レポート/修士論文

中村理自身についてはResearchmapをご覧ください。

1. ■■■■ 卒業論文(4年次)■■■■

2020年度には中村理ゼミの学生が小野梓記念賞を受賞しました。

卒論では、あなたがおもしろいと思うものを大歓迎!
過去の卒論タイトルを後方に置くので参考にしてください!

これら学部の卒業論文では、以下を目標にしています:

  • 一通りの矛盾ない調査を主体的に行う;
    問題意識から仮説の設定、それに応じた対象の選定、内容分析の設計と実施、分析結果の集計処理、科学的な考察とまとめ。
  • それらを一筋の論理的な話に組み上げ、論文の筆記法にしたがって分かりやすくまとめる。

調査を進めていくプロセスでは、以下の2つを大切にしています:

  • 1つ目は実証の手続きを経験することです。
    一般に、想像で物事を語るのは簡単ですが、それが本当だと実証するのは容易ではありません。いろいろやったがうまくいかなかったり、多くの労力をかけたが驚くほど小さなことしか分からなかった、というのはよくあることです。ここでは成功しても失敗しても、その実証のプロセスをぜひ大学にいる間にこそ経験してもらえればと思います! 想像ではなくイビデンスに基づいてものを考えることは、報道であれ商売であれ、いつでも重要です。

  • 2つ目はチームメンバーと協働することです。
    当ゼミではあなたが主体的に調査プロジェクトを企画し、チームで協働しながら作り上げていくスタイルをとっています。理由は、そのほうが楽しく良いものができるから、です! メンバーとコミュニケーションをとりながら、ぜひあなたのアイディアを形にしてください!

以上は、大学を出た後も必ずあなたの役に立つ、汎用的なスキルと経験だと期待しています。たとえば、報道では想像を語ることが許されますが、研究はそうではありません。報道では一方的な考えが許されますが、研究はやはりそうではありません。その違いに気づくと、あなたの実証経験は調査報道につながります。思ったことを書き連ねた意見書よりも、高い分析力にもとづいた訴えのほうが次のジャーナリズムを作るのは言うまでもありません。報道以外でも、たとえば顧客が苦情をいうとき、業績が上がらないとき、どこに問題の根源があるかを考え、それをデータに見出し、対処を講じる、といった活動が求められます。そして、ほとんどの職場はチームのメンバーが協働することで動いています。

なお、ヒューマン・コーディングをおこなう研究では、コーディング・マニュアルを付録に添付しています。これは第3者が結果の再現性を検証できるようにするため、また、後に続く研究のレベルを向上させるため、です。

2023-03

 チーム 「メディアとジェンダー」

  • 第1部:「映画上の同性愛表現に関するインターネットコメントの内容分析――『美女と野獣(2017)』『バズ・ライトイヤー(2022)』を事例に」
  • 第2部:「江戸川乱歩小説におけるジェンダー観の表象――内容分析と計量テキスト分析を通して」
  • 第3部:「ミュージカルの楽曲におけるジェンダー表象の変遷」
  • 第4部:「女性による女性のためのジェンダー観――女性向け漫画の内容分析と計量テキスト分析を用いて」
  • 第5部:「各メディアにおける『ママ友』のイメージ分析とジェンダー」

 チーム 「炎上事件・社会問題に対する各メディアの反応」

  • 第1部:「電通とNHK 2つの過労死事件の新聞報道に差はあったのか」
  • 第2部:「家庭環境の格差に関する新聞報道とSNS投稿の比較」
  • 第3部:「東京オリンピック2020の無観客開催に対する新聞報道とSNS投稿はどのように違うのか」
  • 第4部:「『いじめ自殺』に関する新聞報道とSNS投稿の比較」

 チーム 「お料理」

  • 「料理レシピサイトにおける人気投稿の内容分析」

2022-03

 チーム 「ソーシャルメディアと社会問題」

  • 第1部:「渋谷区同性パートナーシップ条例をTwitter利用者はどう受け止めたのか」
  • 第2部:「ソーシャルメディアは少年法の実名報道に関する議論においてどのような役割を果たしているのか」
  • 第3部:「Twitter炎上はどう広がるか――日韓の文化交流を事例に」
  • 第4部:「マス・メディアとソーシャルメディアは相互に作用するのか―― リアリティーショー『テラスハウス』の事例から」
  • 第5部:「マス・メディアの報道とソーシャルメディアの投稿に相関はあるのか――悪質タックル問題の事例から」

 チーム 「音楽隊」

  • 「流行歌の歌詞とメロディの通時的分析」

 チーム 「政治的トピックにおけるマスメディアのイメージ表象」

  • 第1部:「メディア間比較による客観報道の再考――ウポポイ開業をめぐる議論の内容分析」
  • 第2部:「全国紙において外国人技能実習制度はどのように報道されているのか ――全国版と地方版の記事内容比較を通して」
  • 第3部:「1970年大阪万博に対する新聞報道と昭和ノスタルジア――内容分析によるメディア・イメージ形成過程の検証」
  • 第4部:「2020東京五輪とノスタルジア」

2021-03

 チーム 「政治・経済における新聞報道とテレビ報道の比較」

  • 第1部:「第47回衆議院総選挙における経済報道のメディア間分析」
  • 第2部:「第45回衆議院選挙における新聞報道・テレビ報道分析」

 チーム 「広告表現」

  • 「新聞広告から見る広告主の属性による広告表現の違い」

 チーム 「五輪とジェンダー表象」

  • 第1部:「夏季五輪の新聞報道におけるジェンダー表象はどのように変化したのか」
    (2020年度小野梓記念賞)
  • 第2部:「冬季五輪の新聞報道におけるジェンダー表象はどのように変化したのか」

2020-03

 チーム 「メディアにおけるジェンダー」

  • 第1部:「児童小説におけるジェンダー観はどのように変遷したか―1960年代から2010年代における児童小説の内容分析―」
  • 第2部:「ヒットしたラブソングにおける歌詞表現の変遷」
  • 第3部:「ディズニープリンセス映画の歌におけるジェンダー表現の変遷―視覚的・聴覚的メッセージの分析を通して―」
  • 第4部:「古典落語における男女表現とその近代性についての検討 ―内容分析とテキストマイニングを通して―」
  • 第5部:「漫画におけるジェンダー ―身体的描写と言語的特徴の内容分析―」

 チーム 「慰安婦報道」

  • 「日韓4紙における慰安婦関連報道のフレーム分析 ―ヒューマンとコンピュータ両コーディングを通して―」

 チーム 「新しい経済活動への報道姿勢」

  • 第1部:「フリマアプリに関する新聞報道とインターネット報道の時系列変化と比較」
  • 第2部:「QRコード決済に関する新聞報道とインターネット報道の時系列分析と比較」
  • 第3部:「日本における暗号資産関連報道の内容分析 ―新聞・インターネットメディアの報道傾向と時系列変化―」

2019-03

 チーム 「公共事業に対する新聞報道の内容分析」

  • 第1部:「平成期における整備新幹線事業に対する新聞社説論調の変化」
  • 第2部:「東京オリンピック会場新国立競技場建設に対する新聞報道の論調」
  • 第3部:「福島第一原発事故後の原発報道の論調とフレーム」

 チーム 「日本の娯楽作品に描かれるジェンダー価値観の変遷 ―1980年台後半から現在までの日本社会との関係―」

  • 第1部:「絵本におけるジェンダー観の変遷 ―内容分析とテキストマイニングを用いて―」
  • 第2部:「少女向け『魔法少女』アニメにおけるジェンダー価値観の変遷 ―ヘゲモニックなジェンダー価値観の『強化』と『挑戦』―」

 チーム 「新聞におけるスポーツ報道とネット掲示板の相関」

  • 第1部:「新聞とネットの書き込みの『相関関係』―本田圭佑選手に対する評価の変遷―」
  • 第2部:「新聞とネット掲示板の内容の『相関関係』―サッカーW杯直前強化試合の議論内容の分析―」
  • 第3部:「ナショナリズムの表象としてのオリンピックアスリート像とインターネット掲示板上での世論の探索的比較 —2016年リオデジャネイロオリンピックの事例を用いて―」

2018-03

 チーム 「劇場型政治の選挙報道」

 チーム 「1986年から2017年までの衆議院選挙における個別争点報道」

2. ■■■■ 技法習得プロジェクト(3年次) ■■■■

こちらもあなたがおもしろいと思うものを大歓迎!
3年次の演習では、春学期にヒューマン・コーディングの技法を、秋学期にコンピュータ・コーディングの技法を、それぞれ学びます。主題は自分たちで決め、チームで取り組みます。

2-1. ヒューマン・コーディング習得プロジェクト(3年春学期)

2023-08
  • 故安倍晋三国葬儀を巡る新聞報道の共振性
    大野創一朗、川上小晴、野口知穂(50音順)
  • 中学国語教科書にみられる性ステレオタイプ
    石原宏樹、太田匠美、川村俊太、若生拓樹(50音順)
  • ChatGPTをめぐる新聞報道の論調
    生越新生、髙見澤凛、新妻すみれ(50音順)
  • ミュージックビデオからみる日本のジェンダー観-日本とアメリカの人気楽曲における性ステレオタイプ的描写の比較-
    井戸海如、五井秀美、小谷野大知、山本怜(50音順)
2022-08
  • 身の上相談における相談者・回答者の属性による傾向―朝日新聞と読売新聞で共振性はみられるのか―
  • 新聞は『流行』の生み手か受け手か―映画「君の名は。」についての分析―
  • 2000年代以降の映画におけるジェンダーステレオタイプ表象の変遷
2021-08 2020-08 2019-08 2018-08
  • アメリカ映画において黒人への差別的表現はどう変化したか ―1960年代から2010年代アメリカ映画30本の内容分析―
  • 皇室典範改正についての新聞報道分析 ―天皇の生前退位の観点から―
  • 訪日中国人のイメージ形成をもたらすメディアの共振性
2017-08
  • TPP問題における地方紙と全国紙の報道内容の差異
  • 日本の新聞はドナルド・トランプをどのように報じたか:「ゲーム報道」と「実質報道」の観点より
  • 日本のテレビドラマにおけるジェンダーステレオタイプの変遷
2017-02
  • 安全保障関連法案における新聞社3社(朝日、毎日、読売)の論調分析
  • 新聞メディアが世論調査に与える影響力 ―民主党政権下における朝日新聞社の相関分析―
  • ニュース番組の終戦記念日報道 ―ニュースウォッチ9と報道ステーションから―

2-2. コンピュータ・コーディング習得プロジェクト(3年秋学期)

2023-02
  • SNSにおける誹謗中傷に関する新聞報道の計量テキスト分析
    吉岡由貴(50音順)
  • NHK紅白歌合戦の視聴率の低下に伴う新聞報道の変遷―朝日新聞と読売新聞の報道の傾向―
    關天音、藤井あい(50音順)
  • 東京2020におけるメディア報道と世論調査の計量テキスト分析
    釜澤梨乃、菊地遼太、仲野蓮(50音順)
  • 少年犯罪に関する新聞報道の計量テキスト分析
    関根和希、服部司、深野友輔(50音順)
  • マスク着用に関する新聞報道の計量テキスト分析
    金子萌、三富康平(50音順)
2022-02 2021-02 2020-02 2019-02
  • 村上春樹に関する新聞報道の計量的分析
  • メディアの事件報道はどのようになされてきたか ―和歌山毒物カレー事件における犯罪視報道を例に―
  • 計量テキスト分析によるメディア・フレームの探索的検討 ―「ワーク・ライフ・バランス」 の新聞記事を通して―
  • 東京オリンピックのボランティアにかんする報道の傾向
2018-02
  • 天皇制に関する新聞上の議論の時系列別分析
  • 医療事故報道における新聞社ごとの差異
  • 新聞の冤罪報道における計量テキスト分析 ―捜査過程可視化の観点からの検討―
  • 日本の新聞はアベノミクスをどのように報じたか ―コンピュータ・コーディングを通したメディア・フレームの抽出―

3. ■■■■ 修士論文 ■■■■

大学院では政治学研究科ジャーナリズムコースに所属し、内容分析を用いた研究を中心に、メディアに関する調査や量的研究全般を扱っています。現在は日本語または英語で分析可能な対象を受け入れています。大学院では、あなたが面白いと思う研究が、社会あるいは当該分野にとってどうして重要かをしっかりと捉えます。また、学部に比べて、学生の方自身がより自律的に研究を策定していきます。メディアメッセージの研究を大学院の場でおこないたい方、メディアの現場で問題にいきあたっている方の応募をお待ちしています。(中村理)

修士論文指導一覧

  • 2024-03 新型コロナウイルス感染症報道に見る中国――日米両国の新聞記事の内容分析
  • 2024-03 日米メディアにおける2019 年香港抗議デモ報道の比較
  • 2024-03 日中新聞におけるパラリンピック報道の比較――東京から北京、自国主催と他国開催
  • 2024-03 社会問題としての性暴力を考える――2016年~2022年日本の新聞記事の内容分析
  • 2023-03 eスポーツはどう報道されているのか――朝日新聞と読売新聞を対象に
  • 2022-09 日本における自殺報道のあり方の変容
  • 2022-09 ワクチン報道の特徴とフレーム――子宮頸がんと新型コロナウイルス感染症の比較
  • 2022-09 日本における性暴力報道の内容分析――『朝日新聞』と『読売新聞』を対象として
  • 2022-03 ⺠放テレビ局における報道記者・ディレクター再教育とは何か――テレビ朝⽇「ニュースステーション」を起源とする制作ノウハウの継承と将来
  • 2021-09 日本における女性知事の政治運営の特質と「見えざるハードル」
  • 2021-09 災害時にマス・メディアが伝達するインターネット上の情報発信場所――熊本地震を事例に
  • 2021-03 2019年香港民主化デモにおける日中港ネット世論形成の対比――TwitterとWeiboの公式アカウントの内容分析を通じて
  • 2020-03 日本のテレビCMで描かれる女性イメージ
  • 2020-03 中国の新聞『参考消息』におけるフレーミング効果――転載された国際ニュースの情報源を例として
  • 2019-09 安倍内閣の経済政策およびその下での経済状況に関する日本の新聞紙の論調――『読売新聞』と『朝日新聞』を例に
  • 2018-09 ネガティブ的なネット・クチコミが大衆行動に与える影響――映画評価サイト上のレビューを中心に
  • 2018-09 ジャーナリズム系大学院における現役記者の再教育――ライフ・ストーリー・インタビューを通じた考察
  • 2018-03 微博における沈黙の螺旋の可能性――「在日中国人留学生殺害事件」を例として
  • 2018-03 一帯一路に関する日本新聞記事の内容分析――朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞を例にして
  • 2018-03 日本の新聞報道からみる未婚の母――1986年から2016年までの『読売新聞』に対する言説分析
  • 2017-09 日中の新聞における『中国残留日本人孤児』報道
  • 2017-09 ACC受賞テレビ・コマーシャルにおけるジェンダーステレオタイプ描写の変遷
  • 2017-03 日本の新聞における対中国報道の変遷――中国指導者像の視点から
  • 2017-03 女性雑誌に見るヤング女性のライフスタイルの変容――女性雑誌の内容分析
  • 2017-03 日本の新聞におけるODA正当化の視座転換――1976年から2015年における動向
  • 2017-03 日本における同性愛者の報道はどう変わってきたか――新聞記事の内容分析
  • 2016-03 生命倫理報道におけるメディア間の共振性の検証――尊厳死・延命治療に関する言説の分析から
  • 2016-03 センセーショナルな見出しに対する眼球運動の分析――見出し選択実験より
  • 2016-03 日本のテレビCMにおけるジェンダー描写の変化――CM登場人物の描かれ方の内容分析を通じて
  • 2015-03 医療事故・医療過誤をどう報じてきたか――新聞報道の変遷
  • 2015-03 日本の新聞におけるPM2.5問題の報道
  • 2015-03 国際宇宙ステーション(ISS)に関する報道の特性――社説の分析から
  • 2015-03 「News of News」海外メディアの取り組みを紹介するサイト制作
  • 2015-03 読売報道写真集と朝日新聞報道写真集に掲載された「報道写真」の内容分析――1994年、2014年の比較からみたジャーナリズムにおける新聞写真のあり方
  • 2015-03 「2020年東京オリンピック招致」のテレビ報道
  • 2014-09 中国におけるPX工場建設反対運動に関する報道の変化――アモイ・大連・寧波PX事件を例として
  • 2014-03 新聞の犯罪報道に表象される「被疑者」「被告人」情報の内容分析――「犯人視報道」と「実名報道」の観点から
  • 2013-09 読売、朝日、毎日新聞におけるプルサーマル計画に対する報道の内容分析